訪問介護の仕事は、身体介護・生活援助・相談と助言の3つ分野があります。ところが、介護の仕事は病院と違い、利用者が主体となっているのです。
病院というところは、患者がドクターを頼って訪問して来るので、ドクターのいうことに従うものですが、介護は利用者である患者に権限があります。利用者である高齢者が主体で、利用者がノーと言えば介護を行うことはできません。
これが介護に携わる人たちは勘違いをしてはならない点です。訪問介護は要介護者の自宅を訪れて仕事を行うのですが、注意しなければならないのは、その人が生まれ育った環境の中で、身に付いた文化や習慣があって人間形成されているのです。
更に、生活は一人ひとり異なっているということです。そのために、その人の生活習慣を尊重して業務遂行に努めなければなりません。
自宅と場所は、その人の土俵上で業務を行うので、生活スタイルを理解し利用者自身の自己実現を図っていくことが必要になります。例えば、食材の買い物一つをとっても、利用者の買い物動向を聞かないで、勝手に買い物をしてきてもトラブルの基になります。
野菜と魚は同じスーパーで買い物をしていないのかもしれませんし、牛乳は低脂肪を飲んでいるのかもしれません。毎回スーパーのチラシを見てから、メモを取って出かける習慣であれば、勝手に出かけると不満が溜まってしまうのです。
相手の生活習慣を理解することが、ホームヘルパーとしての基本なのです。